株式会社グルーヴノーツ
量子コンピュータ関連ビジネスを手掛ける株式会社グルーヴノーツ(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:最首英裕、以下 グルーヴノーツ)は、トヨタ自動車九州株式会社(以下 トヨタ九州)と、同社の宮田工場(福岡県宮若市)において量子コンピュータ1を活用した補給部品物流の業務改善プロジェクトを開始しましたので、お知らせいたします。
【背景】
トヨタ九州の宮田工場は、レクサスブランドの5車種を生産する工場で、2020年にはレクサス初となる電気自動車(EV)「UX300e」の生産を開始しました。トヨタ九州では、こうしたクルマづくりの多様化や日々の生産変動などに対して柔軟に対応できる体制を構築するため、日々現場の改善活動に取り組んでいます。
今、自動車業界は「100年に一度」と言われる大変革の時代を迎えている中、極限まで高めてきた生産性をさらに改善していくためには、先進技術を駆使した変革への取り組みが欠かせなくなっています。こうした中、トヨタ九州は、生産現場における複雑な制約をすべて考慮した上で、状況に応じた最適な計画を瞬時に算出できるグルーヴノーツの「量子コンピューティング技術」に着目。リードタイム(商品やサービスの発注から納入までに要する時間)や生産性の飛躍的な改善を目的に、グルーヴノーツと協働して、このたび量子コンピュータを活用した業務改善プロジェクトを発足しました。グルーヴノーツは、クラウドプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」において量子コンピュータ(量子アニーリング、イジングマシン2)を活用したサービスを世界で初めて商用化し、シフトや積載、ルート、作業手順の最適化などさまざまな業務課題に対応する実用的なソリューションの開発で成果をあげています。
【プロジェクトの概要】
トヨタ九州の宮田工場で、「補給部品物流」を対象にした業務改善プロジェクトを実施します。補給部品は、お客様にご購入いただいた車両の保守や交換に用いられています。補給部品の物流計画は、その多様な形状や重量に応じた積み合わせ、運行ダイヤやルート、トラックの荷台寸法、配送タイミングや納期といったさまざまな制約を受け、日々策定・変更されています。昨今の物流量増加への対応や環境負荷低減、トラックドライバー不足などの社会的な課題を解決するためにも、従来よりも短時間かつ高精度な計画策定が求められていました。
そこで、量子コンピュータやAIなど高度な先進技術を活用できる「MAGELLAN BLOCKS」を用いて、計画業務の自動化やトラックへの積載計画(積付計画)の最適化に取り組みます。量子コンピューティング技術は、積載率が最も高くなる積み付け方を導き出すのに長けています。こうした技術を活用して、収容器具の充填率向上や荷量の平準化といったより高度な要件も加味しながら、現状の積載率を上回る積載計画の自動策定を目指します。これらにより、技術伝承による安定した出荷体制の整備、積載率向上や走行台数の削減による輸送の効率化、CO2排出量削減が期待されます。
今後もグルーヴノーツは、同じ九州に拠点を構えるトヨタ九州の「TEAM Kyushu」のパートナーとして、生産現場のさらなる効率化推進を支援してまいります。
※注釈
1)量子コンピュータ:量子力学という物理法則を用いた次世代の超高速計算機
2)量子アニーリング、イジングマシン:量子コンピュータの中で、膨大な選択肢から制約条件を満たすベストな選択肢を探索する問題(組合せ最適化問題)に長けた計算技術
株式会社グルーヴノーツについて
グルーヴノーツは、「豊かで人間らしい社会の実現に貢献する」ことをビジョンに掲げ、多様な価値観をもとに社会/人の未来の可能性や豊かさを広げるためのテクノロジー活用を支援しています。いま、社会が抱える課題は、個々の企業が抱える課題の集積値として反映されたものでもあります。だからこそ社会課題に向き合い、人間の真の豊かさを支えるテクノロジーと着想の力で複雑な問題構造を紐解き、本質的な課題解決に取り組んでいきます。
【お問い合わせ先】
株式会社グルーヴノーツ 広報
pr@groovenauts.jp
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