Google Drive
Googleドライブのアイテムをコピー
概要
このブロックは、Googleドライブ上のアイテム(GoogleスプレッドシートやPDFなどのファイル)を指定された場所にコピーします。フォルダーのコピーはできません。
- 既存のGoogleドライブ上のアイテム(Google Driveカテゴリーのブロック以外で作成・保存したアイテム)も対象とする場合は、GCPサービスアカウントのメールアドレスでそのアイテムを共有しておく必要があります。GCPサービスアカウントのメールアドレスは、フローデザイナーの設定のGCPサービスアカウントで確認できます。
- セルフサービスプランの場合は、このブロックを使用する前に、Google Drive APIを有効にしてください。詳しくは、「Google APIを有効にする」を参照してください。
プロパティ
プロパティ名 | 説明 |
---|---|
ブロック名 | ブロックの名前を指定します。ブロックに表示されます。 |
GCPサービスアカウント | このブロックで使用するGCPサービスアカウントを選択します。 |
アイテムURL(名前可) |
コピーするアイテムのURLを指定します。アイテム名での指定もできます。 URLは、共有リンクおよびファイルのURL(ウェブブラウザーのアドレス欄に表示)のどちらも指定可能です。 |
コピー先のフォルダURL |
コピー先フォルダーへのURLを指定します。URLは、共有リンクのみ指定可能です。 空欄(未指定)の場合は、GCPサービスアカウントのマイドライブにコピーします。 |
コピー後のアイテム名のサフィックス |
コピー後のアイテム名の末尾に指定した文字列を付けます。空欄の場合は、アイテム名の先頭に |
コピーしたファイルURLを格納する変数 |
コピー先のアイテムのURLを格納する変数を指定します。 |
ブロックメモ | ブロックに対するコメントを指定します。 |
使用例
ここでは、「Googleドライブのアイテムをコピー」ブロックの使用例として、四半期ごとの財務レポートの自動更新と共有のシナリオを紹介します。このシナリオは一例であり、「Googleドライブのアイテムをコピー」ブロックはさまざまな用途に応用できます。
このシナリオでは、四半期ごとに財務レポートのテンプレートを新しいファイルにコピーし、そのURLをSlackで共有することを想定しています。具体的な流れは以下のとおりです。
- 現在の年と四半期の情報を取得
- 四半期ごとに財務レポートのテンプレート(Googleスプレッドシート)を新しいフォルダにコピー
- コピーしたファイルのURLを取得
- 取得したURLをSlackチャンネルに通知
- 財務チームがコピーされたファイルを更新(フロー外の処理)
このフローは四半期の初日(1月1日、4月1日、7月1日、10月1日)の午前9時に自動実行されるよう設定します。
情報
この使用例は、「Googleドライブのアイテムをコピー」ブロックの活用方法を示すための想定シナリオです。実際の実装では、ビジネスニーズや既存システムの状況に応じて、適切なカスタマイズが必要になります。
それでは、このシナリオを実現するための具体的なフローの実装例を紹介します。
以下の例では、「クエリーの実行」ブロックによる四半期情報の取得、「Googleドライブのアイテムをコピー」ブロックによるファイルのコピー、「Slack通知」ブロックによるURL共有までの流れを示します。
情報
この実装例は基本的な構成を示すものであり、実際の使用時には必要に応じてカスタマイズできます。
- 「フローの開始」ブロックで、四半期ごとに自動実行されるように設定します。
プロパティ名 値 ブロック名 四半期財務レポート自動更新(サンプル)
開始時間 0 9 1 1,4,7,10 *
開始時間を有効にする - 「クエリーの実行」ブロックで、現在の年と四半期の情報を取得します。
プロパティ名 値 クエリー WITH fiscal_date AS ( SELECT DATE_SUB(CURRENT_DATE(), INTERVAL 3 MONTH) AS adjusted_date ) SELECT EXTRACT(YEAR FROM IF(EXTRACT(MONTH FROM adjusted_date) < 4, DATE_SUB(adjusted_date, INTERVAL 1 YEAR), adjusted_date) ) AS fiscal_year, CONCAT('Q', CAST(FLOOR((EXTRACT(MONTH FROM adjusted_date) - 1) / 3) + 1 AS STRING)) AS fiscal_quarter FROM fiscal_date
結果を格納する変数 quarter_info
このクエリーを実行すると、
quarter_info
変数に以下のような結果が格納されます。[ { "fiscal_year": 2024, "fiscal_quarter": "Q2" } ]
2024
とQ2
それぞれの値は、auarter_info.0.fiscal_year
とauarter_info.0.fiscal_quarter
で取得できます。この記法について詳しくは、「配列とオブジェクト」を参照してください。補足
この結果は例であり、実際の値は現在の日付に基づいて変わります。この例では、7月1日に実行された場合の結果を示しています。 - 「Googleドライブのアイテムをコピー」ブロックで、財務レポートのテンプレートを新しいフォルダにコピーします。
プロパティ名 値 アイテムURL(名前可) https://docs.google.com/spreadsheets/d/1ABC...XYZ/edit?usp=drive_link
コピー先のフォルダURL https://drive.google.com/drive/folders/1DEF...UVW?usp=drive_link
コピー後のアイテム名のサフィックス _${quarter_info.0.fiscal_year}年度${quarter_info.0.fiscal_quarter}
コピーしたファイルURLを格納する変数 copied_report_url
このブロックを実行すると、
copied_report_url
変数にコピーされたファイルのURLが格納されます。 - 「Slack通知」ブロックで、コピーしたファイルのURLをSlackチャンネルに通知します。
プロパティ名 値 Webhook URL https://hooks.slack.com/services/T00000000/B00000000/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
通知メッセージ ${quarter_info.0.fiscal_year}年度${quarter_info.0.fiscal_quarter} の財務レポートテンプレートが作成されました。以下のリンクからアクセスできます: ${copied_report_url}
完成したフローは以下のとおりです。
この使用例では、「Googleドライブのアイテムをコピー」ブロックを活用して、四半期ごとの財務レポートの自動更新と共有を実現しました。このフローは以下の特徴を持っています。
- 四半期ごとの自動実行による定期的なレポートテンプレートの更新
- 「クエリーの実行」ブロックによる正確な四半期情報の取得
- 「Googleドライブのアイテムをコピー」ブロックによる効率的なファイル管理
- コピーしたファイルのURLを変数に格納し、後続の処理で活用
- 「Slack通知」ブロックとの連携による、チーム内での迅速な情報共有
この例は「Googleドライブのアイテムをコピー」ブロックの基本的な使用方法を示しています。実際の業務においては、より複雑なファイル管理や、複数のレポートの同時更新、さらには更新されたファイルの自動データ入力など、さまざまな応用が可能です。ビジネスニーズに合わせて、このフローをカスタマイズし、より効率的な文書管理や情報共有システムを構築できます。